【体験談】外国人だけど日本で家を買いました!

外国人だけど日本で家を買いましたこんにちは。日本に来て9年になる韓国人、すももももこと申します。会社員をしながら、ブログ「すももも桃もモモだよね。」を書いています。

私は現在、もう少し行けば埼玉という東京の隅っこの一戸建てに老犬1、保護猫3、日本人夫1と共に暮らしています。
ここに越してくる前は、横浜の隅っこのほとんど町田に近い賃貸マンションに住んでいました。メンバーの変動はありません。

今回は外国人の私がなぜ家を購入することにしたのか、どのように家を探し、購入に至ったかなどについてお伝えしようと思います。

外国人が日本で家を買うには、日本人が日本で家を買うときよりも強い決断力が必要というのは想像していただけるかと思います。

また心理面だけでなく、外国人は住宅ローンの審査がより厳しいなど、実際的な部分でも家購入の難易度が高いです。にもかかわらず、なぜ私が家の購入に踏み切ったのか説明することで、悩んでいる方の判断の一助になれば嬉しいです。

また、東京郊外の一戸建てを実際に買って、良かったこと、悪かったことについても紹介したいと思います。

賃貸マンションの窓際から外を眺める猫メンバー

賃貸マンションの窓際から外を眺める猫メンバー

賃貸と持ち家のメリット・デメリット

趣味嗜好、家族構成、収入や資産などが異なる以上、賃貸と持ち家のどちらが良いかという問いには「人によって違う」としか答えようがありません。

賃貸と持ち家ではメリットとデメリットがそれぞれありますが、一言でまとめると、賃貸は転居が容易で、持ち家は困難、賃貸は改装が困難で、持ち家は容易ということになると思います。

賃貸でも転居が難しいケースもある

私達夫婦の場合、夫はほとんど天涯孤独と言える身の上で、部屋を借りる際に必要な保証人を頼める人がいません。私の両親は健在ですが、韓国にいるため保証人になれません。そのため、そもそも部屋を借りること自体が大変でした。

韓国では日本人であるという理由で部屋が借りられないということはまずありませんが、日本では韓国人であるという理由で契約を断られる場合があります。おおっぴらに「韓国人お断り」となっていることはなくても、大家さんの意向で審査に落ちることは普通にあります。

ただ、韓国には外国人差別がないというわけではなく、日本人は問題を起こさないと認識されているため断られないだけで、他の国の人が断られることもあると思います。

そんなわけで、賃貸のメリットである「転居が容易」というのはわれわれ夫婦には当てはまりませんでした。部屋を借りにくい方、数年ごとにある不動産会社とのやり取りが面倒な方、引っ越しが嫌いな方は買ってしまったほうが楽になるかもしれません。

賃貸だと犬・猫、あるいは子どもがいて原状回復が心配

文字通り「借り物」である賃貸住宅は、キレイに使わなければならないという大前提があると思います。私達の場合、人よりも犬と猫が多かったため部屋が汚れやすく、「キレイに使わなければ」という義務感はストレスになりました。猫が爪とぎ用ダンボールに乗ってガリガリやっていれば、微笑みながら優しく見守ることができますが、壁や柱でしようものなら血相を変えて駆け寄り、猫の仕事を妨害しなければなりません。

原状回復が必要という賃貸のデメリットは犬・猫と暮らす私達にとってはとても大きいものでした。

メリット・デメリットを比較して持ち家を購入することに

賃貸は何かあればいつでも引っ越せるから気楽というのが最大のメリットです。でもその気楽さは、頼れる実家や、将来にわたって安定した職場といった背景が必要で、経済的に安定している人は賃貸でも大丈夫、と言えるかもしれません。

長期にわたる住宅ローンの返済や、大規模自然災害の発生など、家を買うリスクは確かにありますが、私達の場合、返済額はこれまでの家賃の7割程度になりました。

この先、金利が上昇することを考慮しても、これまでの家賃を上回る可能性は低く、上回ったとしてもわずかであると判断しました。どのみち毎月お金を払うのなら、借りた家より買った家のために払いたい、とも思いました。

また日本国内に実家・親戚がない私達は家を買うことでかえって不安が減り、心が安定しました。「転居できない不便さ」を「安住の地を得た喜び」が上回ったのだと思います。また犬や猫も賃貸に比べればずっと暮らしやすくなったはずです。動物と比べてはいけないかもしれませんが、小さいお子さんがいるご家庭もやはり賃貸よりは持ち家のほうが、気楽なのではないでしょうか。

購入した一戸建てには小さいながらも庭があり、
友人を呼んでサムギョプサルパーティーをすることも。

マンションか戸建てか

住居を購入する方向に動き出し、次に悩むのはマンションか戸建かという問題だと思います。
これも趣味嗜好や予算によってだいぶ変わるとは思いますが、一言でまとめると戸建ては自由度が高く、マンションは便利で安心ということではないでしょうか。

私達夫婦の場合、動物が多いことからマンションという選択肢は最初からほとんどありませんでした。またフリーランスの夫が駅まで車で送り迎えしてくれるので、駅からの距離もあまり考えなくて済みました。

今の住居は駅までやや早足で歩いて15分、ゆっくり歩いて20分程度、自転車なら10分もかからない距離なので、このくらいであれば、毎日歩くことも可能です。

中古物件は思ったほど安くない

戸建てかマンションかという選択肢にはそれぞれ新築か中古かという別の選択肢がついてきます。つまり、新築戸建て、中古戸建て、新築マンション、中古マンションの4択です。
それぞれのメリット・デメリットは物件ごとに異なり、一言で整理するのは難しいので、見落としがちなことだけ指摘しておきます。

私達の場合、借り入れ可能額に不安があったため、東京郊外よりもさらに不便な地域に移住し、500万円以下で買えるような古い中古住宅を買おうと思ったこともあります。私が永住ビザを取得したことで、日本人とほぼ同条件で住宅ローンが組めるようになり、東京郊外の一戸建てを探しはじめましたが、そこで気づいたのは、中古の戸建てが思ったほど安くないということです。

例えば、ホームズというサイトで渋谷駅まで50分以内、乗り換え回数1回以内、建物80㎡以上、土地90㎡以上、駐車場ありで検索すると、新築戸建ての最安は2480万円で、場所は東武東上線の志木駅までバスで8分の物件です。渋谷までは乗換なしで49分となっています。

同じ条件を中古戸建てで探してみると、最安は築27年の1980万円で、西武池袋線ひばりヶ丘駅までバスで8分の物件です。渋谷までは乗換なしで49分です。

単純に比べることはできませんが、都心へのアクセスの利便性がほぼ同じで、新築と築27年がちょうど500万円の差です。逆に言うと、もう少し便利なところにある中古住宅は新築より高くなる可能性もあります。

住宅街は駅を中心に同心円状に広がっていきますから、古い家ほど便利な場所にある場合が多いです。そのため家自体が古くて価値がなくても、土地が高いため、予想よりも高く感じることがあると思います。
予算がないから中古にするという思い込みは、新築の割安な物件を見逃すことに繋がりますし、修繕費用などトータルで考えると中古がかえって割高になる場合もあります。中古物件は不動産会社に支払う仲介手数料が必ずかかることも念頭に置いたほうがいいと思います。

関連項目:ホームズ

キャットウオーク

壁にキャットウォークを設置! 賃貸じゃできないDIYも自由にできます。

隣人問題も考慮に入れる

マンションであれ一戸建てであれ、家を持つことのデメリットは「簡単には転居できなくなる」ことだと既にお伝えしました。隣に変な人が入居してきて、どうにも我慢できないから転居するというのが持ち家ではかなり難しいというわけです。

私達の場合、20区画以上が一度に売りに出された建売住宅だったため、入居の時期がほぼ横並びでした。そのため、近所付き合いというのも、ゼロからのスタートになりました。同じ新築一戸建てでも、古くからある住宅街に建てられた1戸だと、すでにある人間関係の中に入っていくわけですから、面倒なこともあると思います。

マンションの場合は、規模にもよりますが、マンション自体が一つのムラであり、共有スペースなどの問題もあるため、人間関係に関する問題は戸建てよりも顕著である可能性が高いです。

戸建ての場合、20区画以上あっても、それぞれの物件の値段はほぼ同じなので、そこを買う人たちの収入が近い可能性は高く、またその地域の家を選んだということで、趣味嗜好も似ている可能性があります。

その点マンションの場合は、同じマンション内に複数の間取りがあるのが普通で、値段もかなり差があるため、同じマンションに住んでいるからといって、収入や好みが近い可能性は戸建てのケースよりも低いでしょう。一戸建ては近所付き合いが面倒そうで、マンションは隣人と無関係に暮らせるというイメージがあるかもしれませんが、逆のケースもあることは知っておいたほうがいいかもしれません。

悩んでいる人こそ物件の情報収集がおすすめ

住宅ローンも組めず、一括で家が買えるような多額の預金があるわけでもなく、でも動物たちと自由気ままに暮らせる住居がほしいと考えるようになった私達は、地方に移住することを半分冗談、半分本気で考えるようになり、移住を受け入れる自治体の情報なども見るようになりました。そんなある時、お気に入りの散歩コースの途中で中古一戸建てが売りに出ているのを見つけました。買えないことは分かっていましたが、とても場所が良かったので見学させてもらうことにしました。

家自体の状態がイマイチで購入意欲はなくなり、そもそも買える状況ではなかったのですが、不動産屋さんがすんなりと帰してくれるわけもなく、あれこれ聞かれ、その際に住宅ローンが組めない事情を話しました。すると、「いくらぐらい借りられるかお調べしましょうか」と言われ、調べてゼロとか言われるのも嫌だなと思いましたが、「じゃあお願いします」と言って帰りました。後日連絡があり、永住ビザのない現時点では800万円程度と言われました。

ところが、仮に永住ビザがあれば、日本人とほぼ同じ条件になり、一概には言えないものの年収の10倍程度借りられるというのです。それがきっかけで私達は約4か月かけて永住ビザを取得しました。ビザを取るのは外国人の私だけですが、日本人の配偶者として永住ビザを取るためには、夫婦の資料が必要なのです。

不動産会社の営業さんもいろいろな人がいて、夫がフリーランスだと知ると、「中小企業の社長よりも、中小企業の社員のほうが家は買いやすい」などと言って、だだのフリーランスなんて家を買うのは無理だと暗に伝えてくる人もいましたが、概ね皆さん親切で、プロと呼ぶにふさわしい知識をお持ちでした。国際結婚した夫婦に家を売った経験もある程度の規模の不動産会社ならあるようです。

不動産会社側も簡単には売れないものを扱っている自覚は十分ありますから、金儲け一辺倒ではなく、こちらのことを考えていろいろ教えてくれたりもします。

住宅ローンについても同様で、各銀行が説明会を開催していますし、不動産会社も取引のある銀行の説明会情報など把握しているはずです。借りられないだろうと諦めるのではなく、家を買いたい気持ちが少しでもあるのなら、内見したり、銀行の説明会に行ってみたりしてください。

後述しますが、私達が家探しで唯一後悔しているのは、「住宅ローンをほとんど検討することができなかった」ことです。変動金利か固定金利か悩むのはもちろんですが、銀行も大手都市銀行にするのか、地方銀行にするのか、ネット銀行にするのか選択肢は膨大にあります。ですが、買う家を決めてから、住宅ローンについて悩む時間は限られています。

またマンションであれ、戸建てであれ、新築であれ、中古であれ、夫婦でいろいろ話しながら内見すると、お互いが求めているものが見えてきますし、相場も分かってきます。

なので、家を買いたい気持ちがある方はレジャー感覚でどんどん内見し、不動産会社の人と話してみるのが良いと思います。一度連絡先を知らせると、向こうも仕事なので、煩わしいほど連絡してきますが、そこは何時から何時までと連絡可能時間をきっちりと伝えて対応し、守ってくれない業者はブロックするなどして連絡を断てばいいと思います。

韓国は実質家賃なし!

参考にはなりませんが、せっかくなので韓国のちょっと変わった賃貸住宅事情を紹介します。

韓国のタワーマンション

日本に来る前には、韓国のタワーマンションの24階に住んでいました。

私たち夫婦が日本に来る前に暮らしていたのは広さ100㎡ほどの新築タワーマンションで、家賃自体は払っていませんでした。これは、伝貰(チョンセ)という特殊な賃貸システムのためで、物件価格の5割から8割を保証金として入居時に払えば、退去時にそれが全額戻ってくるのです。

私たちは1億8000万ウォン(約1800万円)を預けてその部屋に住んでいました。ただ戻ってくるとはいえ、その1800万円を持っていなかったため、銀行で大部分を借りて、その利子を月に6万円ほど払っていました。これが実質的な家賃ですが、もし1800万円を親や会社から借りることができれば、本当に家賃はゼロだったのです。

なぜこのようなことが可能かというと、大家はこのマンションを3憶ウォンで買っても4億ウォンで売れば1億ウォン儲かるから、家賃で儲ける必要はないわけです。以前は、銀行の利子が高かったため、チョンセで預かった保証金を銀行に預け、その利子が大家の収入になっていましたが、最近は転売で利益を出そうとする人がほとんどです。

3億ウォン工面して不動産を買ってチョンセで貸し出し、その保証金を返済に充ててしまいます。我が家のケースで言えば、大家は銀行から3億ウォン借りてマンションを買い、私達から預かった1億8000万ウォンで一部返済します。すると大家の借入金は1億2000万になり、不動産売却までその利子だけを返済すれば良いわけです。

将来4億ウォンになった時に売れば、約1000万円のもうけになります。実際にソウルやその近郊のマンションは1.5倍や2倍になるのにそれほど時間がかかりません。複雑ですぐに理解するのは難しいかもしれませんが、韓国ではこういった不動産投資を大金持ちだけでなく、中産階級の人たちも行っていて、随分前から不動産バブルと言われています。

外部リンク:韓国の家賃制度-チョンセ&ウォルセ-

韓国には礼金制度はない

また、韓国にも保証金(敷金)を預け、毎月の家賃を払う月貰(ウォルセ)という物件もあります。賃貸契約を結ぶ際の仲介手数料もありますが、日本の「礼金」に当たるものはありません。

外国人の私も敷金が必要であることは分かりますが、「お礼として支払うお金」を貸す側が要求するのは違和感があります。変と感じるのは私だけではないらしく、最近は礼金が必要な物件が減っている印象があります。

猫メンバ-のうち、お二方は韓国で保護した捨て猫

猫メンバ-のうち、お二方は韓国で保護した捨て猫。
日本に来るために8カ月かけて検疫の手続きをしました。

家さがしの方法

検索条件はゆるめに

私達が実際に行った家さがしの方法で良かったことを簡単に説明したいと思います。
ホームズやスーモなどのサイトがよくできているため、条件さえ設定すれば、家にいながら大量の物件を確認することができます。ただ、当たり前の話ですが、「予算3000万円以下」と設定すれば、絶対に3000万円を超える物件はヒットせず、その物件に出会うことはほぼなくなります。

でも家というのは100万円単位で値下がりすることもありますし、割引できることもあります。私達夫婦の場合、夫が几帳面な性格で予算や駅までの距離、間取りなど細かく設定して検索し、多少ずぼらな私は、必要な項目を設定したりしなかったりしていました。

今住んでいる家は、夫の設定した検索条件ではヒットしなかったものですが、価格や仲介手数料が値引きされたことで、結果的に予算内に収まった物件です。検索条件はギチギチに決めないで、多少ゆとりを持たせたほうがいい場合があります。

新築は仲介手数料0円で買える

新築一戸建てには、「売主物件」と「仲介物件」があるのをご存知でしょうか。簡単に言えば、売主物件はハウスメーカーが直接売るもので、仲介物件は不動産会社が間に入って売るものです。売主物件は仲介手数料がかからないのが最大のメリットです。3000万円の家であれば、仲介手数料は3%+6万円に消費税がかかり、103万6800円です。これがかかるのとかからないのでは大違いです。

新築を買う人は売主物件を買うか、仲介手数料を取らない不動産会社で買いましょう。
仲介手数料をとる不動産会社を使うメリットをあげるとすれば、扱っている物件が多いため、希望を伝えれば効率的に条件にあった物件を紹介してくれます。営業の人が時間に合わせて内見コースを作り、営業車で案内してくれるので、急いでいる人はいいかもしれません。

内見時に周囲の環境も確認

内見というと、家の中を見ることのように思いますが、周辺の環境を見るほうが大事とも言えます。家の中は買ってから変更することも可能ですが、周辺環境を変えるのはほぼ無理だからです。内見するときは、その地域のゴミの収集方法を聞き、ゴミ出しの場所などを確認したほうがいいでしょう。

もし自分の家の前が何軒ものゴミを集める場所だったら、かなりストレスになると思います。私達は騒音などの問題が起きやすい学生用のアパートなどがすぐ近くにある物件も候補から外しました。

忘れやすいのは、航空機の航路です。慣れている人にとってはどうということもないのかもしれませんが、集中を要する仕事を自宅でするフリーランスの方などは特に気をつけたほうがいいと思います。平日と土日で違う場合もあるので、近隣住民に聞いてみたり、ネットで調べたりしてみてください。

一戸建ての隣は栗林

家の隣は栗林です。いつ家が建つか分かりませんが、今はありがたく緑を満喫しています。一応東京都ですが、自然が豊かでグッときました。

グッとくる家を見つけたらすぐに契約

片付け術を解説した近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』という本が世界で1000万部売れたそうですが、片づけだけでなく、買い物でもインスピレーションって大事ですよね。

家の場合も同じで、私達は数十件の物件を見て、良いなとは思っても、ときめくほどの物件にはなかなか出会えませんでした。予算、駅までの距離、通勤時間など条件は満たされていても、何かグッとこないのです。妥協しようとする夫を説き伏せて探し続け、今の家を見た瞬間、「ここだ」と思いました。

私はその日のうちに手付金を払い、仮契約してしまいましたが、やはり大きな買い物なので少し頭を冷やしてから決めたほうが良いかもしれません。

物件周辺の防災マップを見る

自然災害については、心配しすぎても仕方がありませんが、それでも万が一のときに被害が大きくなる可能性の高い地域は確認しておく必要があると思います。
市役所のウェブサイトなどには「防災マップ」や「ハザードマップ」という名で、洪水、液状化、土砂災害などに関する危険地域を公開しています。

また国土交通省の地盤情報を検索することができる「kunijiban」も気休め程度には参考になるかもしれません。

関連項目:「国土交通省ハザードマップポータルサイト

関連項目:国土地盤情報検索サイト「KuniJiban

戸建てと老犬

韓国で保護した老犬も窓際で日向ぼっこを楽しんでいます。

住宅ローンは早めに決めておく

家を買うのは一生に一度という人がほとんどだと思います。そのため1回目の経験を次に活かすことが難しいです。できれば、実際に家を買った知人などに相談すると良いと思います。私の知り合いも私が家を買ったことを知って遊びに来て、東京郊外の魅力を実感して所沢に家を買いました。

そのときに夫が伝えた「ほぼ唯一の失敗」は住宅ローンを不動産会社の言われるままに決めてしまったことでした。私達は仲介手数料ゼロの不動産会社を通じて家を買いましたが、そこに出入りしている銀行の担当者がいて、すぐに仮審査、本審査と進んでいきました。

住みたい家が決まった場合、数万円のお金を預ければ、その物件の内見はストップされます。ですがそこから本契約に進むまでは少なくとも住宅ローンの仮審査が通らなければなりません。不動産会社が売主と値引き交渉をする際にも、仮審査が終わっている必要があります。なので、住宅ローンについて調べるのなら、家を決める前にしなければなりません。

私達の場合、安定志向の夫が最長35年間固定金利のフラット35を検討したいと言ったのですが、不動産会社は「それについては自分で手続きするように」と言うだけでした。その代りに出入りのメガバンクの担当者が全額変動金利、変動と固定の並行、最初の5年、10年だけ固定など様々なプランを提示してきました。楽観的な私が「全額変動が良い」と主張したので結局、会社の給料が振り込まれるメガバンクの住宅ローンを全額変動金利で借りることになりました。

私達の場合、結果的には良かったですが、どうしてもフラット35を使いたいという人もいると思います。繰り返しになりますが、そういう人は買う家を決めてからではなく、家さがしと並行してフラット35の手続きを進めたほうが良いと思います。

関連項目:「フラット35

金銭的なメリットよりもどんな暮らしをしたいのが大切

住宅ローンは大きく分けて、変動、一定期間固定、全期間固定の3種類があります。最終的な支払い金額がはっきり分かっているのは全期間固定だけなので、明確な返済計画を建てたい人は、全期間固定の一択です。

変動については、地方銀行やネット銀行は都市銀行よりも低い金利のところがたくさんありますが、私達は検討する時間的な余裕がありませんでした。

私達の場合、住んでいたマンションの家賃、駐車場代、更新手数料で月に約12万円かかっていたため、これを基準とし、変動の金利が何%になるとこれを超えるのかシミュレーションした結果、超える可能性は低く、超えるとしてもかなり先のことと判断したため、全期間変動にしました。購入してから約5年になりますが、半年ごとの金利見直しで変更があったことはなく、賃貸に住んでいたころの7割程度の返済額でとどまっています。

住んでいた賃貸マンションより2倍近い広さがあり、庭も駐車場もついている一戸建てに7割程度の支出で暮らしていることになりますが、それが家を購入したメリットとは言えません。金利が予想以上に速く上がる可能性もありますし、火事や地震に見舞われる可能性もあるからです。今後は家を修繕していく必要も出てくるでしょう。

不動産会社も「家賃よりも安く家が買える」とアピールしてくると思いますが、それが目的なのであれば、全期間固定金利にした上で比較する必要があります。私の場合、金銭的なメリットよりも、老犬1、保護猫3、日本人夫1という家族と自由に暮らせる「安住の地」を得たことが大きかったです。
関連項目:「価格.com|住宅ローン比較

 

View this post on Instagram

sumomo=すもも=스모모さん(@hellosumomo)がシェアした投稿

まとめ

私達が今の家を見つけ、仮契約したのは2014年の3月11日でした。2010年に日本に来てから数カ月後に東日本大震災が発生し、津波で家が流される映像を見て、地震のほとんどない韓国から来た私はただただ恐ろしく、気持ちが沈みました。

また、たくさんの動物を抱えて被災してしまったら、皆で避難所に行くのも難しいと思いました。日本に実家があれば世話になることもできるのでしょうが、私達はそれができません。

近い将来、関東地方に大きな地震が来ると言われていることもあり、家を買う不安もありましたが、賃貸に住んでいる時に被災したら、私達は行き場を失ってしまいます。その点、持ち家なら、全壊さえしなければ、なんとかなると思いました。

仮契約した日が3月11日だったのは偶然ですが、動物たち(夫も)と楽しく暮らすという気持ちを忘れず、今の家を大事にしていきたいと思っています。

少しでも皆さんの参考になれば幸いです!

今回、記事を寄稿していただいた 「すももももこさん」のブログ・サイトです。